トキワ松学園小学校

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スペシャル授業

畝迫先生スペシャル授業~出前授業 音読遊び~(1年国語)

 

畝迫先生の1年の国語の授業は、出前授業「音読遊び」である。
1年生も終わりを迎えるこの時期、文章の音読にも慣れてきた児童は多いが、まだ、文章を単語や文節の結合体として認識できず、途切れ途切れな読み方になってしまう子もいる。
そんな中で、畝迫先生が選んだ教材は、教科書を離れての、坂田寛夫さんの詩『どじょうだじょ』と『かたつむり(らりるれろ言葉)』である。
まず、先生はいつものやわらかな静かな口調で、「ノートに書かないでね。声を出さないで読んでね」と言ったあと、ゆっくりと『どじょうだじょ』の詩を板書しだす。
最初は話し声も聞こえたが、先生のきれいな字とだんだん増えていくおもしろそうな板書の詩に、いつの間にか子ども達は、興味深く心の中で詩を読んでいる。
3連の12行の詩なので、板書し終わるのにはそれなりの時間が流れているのだが、先生の醸し出す従容たる後ろ姿に子ども達は吸い込まれているから不思議で、一つのマジックである。
板書し終わると、1行ずつ先生がゆっくりと読み出す。
一緒に読んでねとも言わないのに、1年生はこれもいつのまにか一緒に読んでいる。
これもマジック。

次に、先生の「自分たちだけで読んでごらん」という指示に待ってましたとばかりに読み出す。
少し難しい言葉の意味の確認をした後、もう一度自分たちだけで読ませるのだが、だんだんおもしろくなってきた1年生は、調子にのってロボットの声みたいに音読し出したのである。
この詩は、どじょう自身が自分のことを少し自慢気におもしろくいっているものなので、どじょうになりきって音読してもらいたいのだが、畝迫先生は音読を中断して「どうしてもやりたいのだね。では、ロボットバージョンで音読しよう」と変更して読ませたのである。
ここら辺の流れの使い方は、まさにベテランの味であり、やわらかさを持っている。
無理に教師の思い通りに授業を進めるのではなく、子どもの気持ちを大事にして授業を組み立てていく。

こうして、子どもたちは、すっかりこの詩が気に入りだしたところで、さらに、お坊さんのお経バージョンで音読させたりもして、子ども達はのりのりである。
そして、最後は再びどじょうバージョンで音読させて、この詩の本質に迫らせようとする。
授業は本質をしっかり押さえながらも、目の前の子供達とつくりあげることによって生き生きとしたものになるが、ここから、さらに、先生は子どもたちをうまくのせながら、授業を展開させていく。
「音読は上手だけど、まさか覚えてはいないよね。」と投げかけた先生に、子どもたちはすかさず「大丈夫、覚えた」と反応する。
それならと、先生は、詩の一部の言葉を消しだして、覚えているかどうかを試す。
子ども等がなんなくクリアーすると、今度は何行かを消しだす。これもクリアーする。
子どもたちからは「もっと消して」という声が上がる。先生はオーバーアクションも加えながら「なかなかやるな」と子どもたちをどんどんのせていく。
そして、とうとう全部消してしまったのである。
それでも、子どもたちは、少しつっかえながらも、短い時間にこの詩を暗唱してしまった。これもマジックと言える。
 

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次は、二つ目の詩『かたつむり(らりるれろ言葉)』である。
有名な『かたつむり』の歌詞に,ら行の言葉を入れた詩である。
(【でれんでれん むるしりむるしり からたらつるむるり・・・】)
先生は今度はノートを出させて、一緒にこの詩を書かせていく。
先生はみんなが全部板書の詩を写し終わるまで待つのだが、写し終わった子も先生と一緒に1行ずつ音読の練習をして、飽きさせない。
全員が写し終わったところで、この詩を一緒に歌うのだが、子どもたちは苦戦しているので、すかさず、1分間の練習時間を与える。
子どもの様子を素早くキャッチして柔軟に対応をしている。
このあたりで、授業は一旦終了となる。

授業は教師の思惑通りにいかないことも多々ある。
その時に、無理に持っていこうとすると、子どもの気が逸れたり、理解が定着しない場合がある。
教師の授業計画は単線ではいけないとよく言われるが、子どものいろいろな発言に対応できるように、複線化が必要なのである。
畝迫先生の授業は子どもの様子を見ながら、発言を聴きながらいくらでも対応できる、いわば、授業の複線をその場で敷いていくところが絶妙である。
それは、教師として、子どもを見つめる確かな目、温かな目が根底にあるのは言うまでもない。
また、この最初の詩の授業でも、子どもをのせるためにいろいろな場面で言わば、役者を演じている。
しかも、演じることを自分も楽しんでいるところがいい。
教師はある意味、自分も演じることを楽しむ役者でなければならないのである。
教師も授業を楽しめることが大切である。
あちこちに散りばめられた畝迫先生マジック! もう、言うまでもなくスペシャルの何物でもないであろう。

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