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今日の朝礼の話5 ~おうちの人と読みましょう~
今日の朝礼の話5
~おうちの人と読みましょう~
校長 栗林 明弘
母の日の母にだらだらしてもらふ(う) 正木ゆう子
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読んですぐわかる俳句かと思います。〝だらだらしてもらふ(う)〟がおもしろく、そのおもしろさの中に、いっそう作者のやさしい気持ちが表れています。
5月10日は「母の日」でしたね。今年はコロナのこともあって、お花屋さんたちが「母の日」を「母の月」にしようと呼びかけているそうです。どういうことかと言うと、10日の一日だけに限らないで、5月を丸々お母さんに感謝する月にしようということです。
みなさんはこの休校期間の中で、当たり前のようにしてもらっている朝昼晩の食事の世話はもちろん、家での勉強の世話、運動不足の心配など、自分のことは後回しにしてみなさんのことを考えて、苦労しているお母さん、お父さん、おうちの人の姿を見てきていますね。今まで気づかなかったその大変さに、はっとしたという人も多いでしょう。さらに言うと、みなさんの見えないところでも、おうちの人たちはみなさんのために、もっといろいろなことをしてくれています。5月もあと半分になってしまいましたが、この5月をおうちの人への感謝の思い出がたくさん残る月としてほしいと思います。
さて、その5月という月は俳句の世界でも夏になります。この間、アゲハチョウがいそがしそうに過ぎ去っていくのを見ました。雨が降った次の日に道の真ん中でミミズと出くわしました。庭先には薔薇(ばら)の花があざやかな色を見せています。気づきにくいのですが、梅の木は青い実をつけています。ある日の雲は、早くも入道雲でした。強い日差しの日にはサングラスをかけている人を見ました。
アゲハチョウ、ミミズ、薔薇、青い梅の実、入道雲、サングラス、これらはみな夏の季語、夏の季節を表す言葉です。俳句には季語が必要であるのは、みなさんも何となくわかっていると思いますが、その季語を集めたものに“歳時記(さいじき)”というものがあります。本屋さんにも売っているものですが、私も5種類くらい持っています。次回は、季語やその歳時記についてのお話をしたいと思います。
今日の話はこれで終わります。
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