トキワ松学園小学校

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スペシャル授業

今日の朝礼の話6

今日の朝礼の話6

~おうちの人と読みましょう~

                                           校長 栗林 明弘                

 

ごきぶりを打ちしスリッパ手に残る   髙木瓔子

 

みなさん、おはようございます。特別な時間割にそっての学習が始まって、2週間が終わろうとしています。みなさんが、担任の先生や専科の先生と「zoom」や「ロイロノート」を使ってがんばっているのをうれしく思います。ひらがなや漢字、計算ドリル、ワークシート、絵などを写真に撮ったり、また音読や自己紹介を録音したりしたものを先生に提出して、自分から進んで学習を深めているのはすばらしいことですね。

 

今日の俳句、びっくりした人もいるでしょう、ゴキブリの俳句ですから。前回、季語(季節を表す言葉)のことを少し話しましたが、実は、ゴキブリはりっぱな夏の季語なのです。なぜ、このゴキブリの俳句を今回紹介したのかというと、もうそろそろゴキブリが出てきそうな季節だからでもありますが、みなさんを少しびっくりさせようと思ったからです。

この俳句の意味はだいたいわかりますか。スリッパは足に履(は)くものなのに、作者は手にもっていたのです。なぜでしょう。そうです、ゴキブリをたたくためです。今は、ゴキブリ退治のスプレーという、よいものがありますが、作者は急に現れたゴキブリを逃すまいと履いていたスリッパでとっさにたたいたのでしょう。

この俳句、ゴキブリをスリッパでたたいたというだけのことなら、あまり俳句としてよくないかもしれません。そうではなく、スリッパが〝手に残る〟と表したところがいいところだと思います。なぜなら、その言い方によって、スリッパを手にもったままの作者のポーズが、作者の顔の表情がストップモーションのようになって、目に浮かぶからです。

はたして、スリッパは見事にゴキブリに命中したのか、たたきそこなって逃げられてしまったのか・・・、そのことについては書かれていません。読む人が想像するのです。見事に命中したとしたら、作者の勝ち誇ったような表情が想像されます。たたきそこなったとしたら、作者のがっかりとした表情が想像できるでしょう。このように読む人に想像の幅を持たせているところがこの俳句のよさでもあると思います。

俳句というものは、ふだんの生活の中にある、ちょっとした驚きや発見を自分の言葉で表現するのが基本です。花や鳥、風や月、きれいな風景などを表現するのもいいでしょう。でも、何かアニメの『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』にあるような、くすっとした笑いを自分の言葉で表現するのもいいのです。俳句の中には、少しおかしみのあるものも意外と多くあるのですよ。

さて、このゴキブリのような、夏の生き物の季語は他にも、蠅(はえ)とか蚊(か)とか蜘蛛(くも)とか蛞蝓(なめくじ)とか蛇(へび)とか毛虫とか蛾(が)とか蚤(のみ)などいろいろあります。もちろん、蟬(せみ)やかぶと虫、蝸牛(かたつむり),蟻(あり)、揚羽蝶(あげはちょう)も夏の季語です。

これからの夏、みなさんはいろいろな生き物の季語と出会うことでしょう。その時は、生き物をよく見て、ぜひ俳句を作ってみてください。出会った生き物を俳句にすると、好きな生き物はもっと好きになりますし、たとえ、ゴキブリのようなきらいな生き物でも、もしかしたら憎(にく)めなくなるかもしれません。

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私は、ゴキブリの俳句は作ったことはありませんが、子どものころから蟬が好きで、今でもよく夏になると蟬の俳句を作ります。ある時はこんな俳句を作りました。

      

    “電柱をしびれさせたる蟬の声”

 

今日の話はこれで終わります。次回は、5月29日の予定です。 

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