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校長先生からの宿題 ~6年生~
校長先生からの宿題(休校期間中の春・夏の俳句)
~6年生~
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最後は6年生。他の学年と同じく4、5月の休校期間中の私からの宿題は休校期間中の見たこと、感じたことを五、七、五に表現することを課題にしました。
その中から、すぐれたものをいくつか学年ごとに「入選」として選びました。その中でも特によいものは「特選」としました。なお、今回はなかなか外にも出られず、季語と出会えないというということもありましたので、季語や季節感のないものも<無季俳句>として選んでいます。
6年生は感覚的に鋭いものやおもしろいものがありました。
特選句について思ったことを少し。第1句目、友達に会いたいという休校期間中の思いでしょうか。最後の〝月がきれい〟という字余りの表現がいい味を出しています。その友達も同じ月を見ているのかもしれませんね。2句目、日本人は桜が咲いたの、咲かないのとソワソワ気にします。桜が咲きだすころになると、スケッチブックをもって出歩きたい気持ちにもなります。この句の作者は、実際にスケッチブックに描いたのか、‘心のスケッチブック’に描いたのか、それはわかりませんが、そんな気分にさせるのが桜の花です。3句目、春風というとあたたかさを感じますが、ラベンダー畑の風につめたさを感じたという句です。ハーブのかおりは少しひんやりと感じるかもしれませんが、ラベンダーのゆれたことと、春風がつめたいこととがつながっているようで、強くはつながっていないところ(〝ゆれる〟であって〝ゆらす〟ではありませんから)に詩を感じます。じっさいのつめたさではなく、見た感じ、かおりをかいだ感じの感覚的なつめたさなのかもしれません。4句目、休校期間中の終わりごろ、やっと学校再開が決まった時の俳句でしょう。花びらを数えて待つという表現によって、学校にいけないのをずっとがまんしている様子が目に浮かぶようで、また待ち遠しさも表しています。
【特選】
夜空みて想いよ届け月がきれい
桜咲きスケッチブックも花が咲く
ラベンダーゆれる春風つめたいな
花びらを数えて待つよ始業式
【入選】
春の風桜並木と人の波
鮎登る春の河原に音響く
かんきするまどをあけたら春風だ
しんりょくのハルゼミ歌う山の中
ぐんぐんと背をこしていくたけのこよ
パソコンの向こうで笑う友の顔
桜の木風で体がはがれてく
春めくが外には出れず気分だけ
鉢植えにハート形の葉シクラメン
夏の池風鈴が揺れ水面揺れ
夕桜太陽しずみ星の色
桜散る子どもの声なき公園に
チョウが舞うお庭の中は春の匂い
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